2016年9月29日木曜日

レスキュー・ホリー

なんかもう、久しぶりすぎだ。

ホリーとの生活はたくさん楽しいことがあって、忘れずに覚えておきたいこともあるのに、ブログはぜんぜん追いつかず。

そんな中で、古い付き合いで犬飼いの先輩でもある友人に話して「感動した!」と言ってもらった、とっておきの逸話を書き留めておこうと思います。

IMG_6777

ホリーのうちの子 3 周年記念と個人的なちょっとした重荷から解放されたお祝いで、5 月 (ほぼ 5 ヶ月前のことだ・・・)に富士山麓に出かけてきました。

IMG_6838

休暇村富士の犬と泊まれるコテージに一泊。 休暇村わきに登山口がある長者ヶ岳にのぼりました。

IMG_6850

頂上からのすばらしい富士山の眺望。

林の中の、明確な登山道がなく、赤いリボンの道標が示されたルートを下っていたときのことです。大好きな山道を駆け抜けるのが楽しくってしょうがないおっさんとホリーの姿はすぐに見えなくなってしまい、私はマイペースに下っていました。

登りは息を整えるために頻繁に足を留めますが、下りは割とスムーズに降りられてしまうので、足元ばかりに意識が集中しがち。ふと、その地面の感触が妙にふわふわしている・・・踏み固められていないことに気付きました。あれ、と思って顔を上げ、リボンを探してみますが、視野に入る限りには見つからない。さくさく進む足にまかせて勢いで下っていたら、いつの間にか登山道を外れてしまったようです。

右も左も前も後ろも同じような杉林が広がる光景、どこにも目印がない。ああ、人はこういう風にして遭難してしまうんだな。と妙に冷静に納得してみたり。

山中で道に迷ったときのセオリーは、「来た道を登り返す」です。決してあてずっぽうで下り続けてはいけない。疲れているからしんどいし、そのまま下ってしまいたい誘惑はあるんだけど。やれやれ。

そのとき、思いついてホリーの名前を呼んでみました。

「ホリー!ホリー!ホリー!ホリー!」

人の気配のないことを幸いに、めったに出すことのない大声を張り上げて何度も呼びました。

やっぱり来てくれないかな。

ホリーの呼び戻しは、基本できません。家でおやつをエサに呼び寄せることはできますが、ドッグランで呼びかけても気が向かない限りは来てくれません。それに、どれだけ距離が離れているかわからない。だからダメでもともと。

しかたない、登り返すか、と決めたところに、思いもよらない方角からホリーがおっさんを引き連れて現れました。

それまで走っていたホリーが急に方向転換して、強引におっさんをひっぱって連れてきたそうです。

なんだ、その名犬!?

IMG_6853

「わたしが名犬ホリーです」

ふだんそっけなくツンツンしていても、わたしがピンチのときにはちゃんと駆けつけてくれるんですね・・・(しみじみと感動)。

IMG_6892

無事に下山したのち、カモの群れにテンションが上がって田貫湖に飛び込み、泥だらけになっちゃったホリー。

「昨日シャンプーしたばっかりなんだよ!」とぼやいたところ、

「叱るなよ、ホリーは命の恩人なんだから」とおっさんにたしなめられました。

そうか。そうだよなぁ。

IMG_6942

可愛いだけでなく命の恩人にまでなっちゃった私の愛犬ホリーなのでした。